アイスバスの入り方
アイスバスは、高強度トレーニングの後の筋肉痛の軽減や、疲労の回復にとても効果があるとされ、今やアスリートの間では欠かせないツールとなっています。使用するアスリートの幅は広く、欧米ではマラソンや陸上競技からはじまり、バスケ、サッカー、ラグビー、アメフト、アイスホッケー、セーリング、水泳、モータースポーツまでほぼすべてのアスリートが使用する物となっています。
アイスバスは準備も使用の方法も非常に簡単です。
簡単に言えば10〜15℃の水に5~15分浸かるだけと、非常にシンプルな内容になります。
しかし、使い方によっては効果があまりなかったり危険を伴うものでもありますので、効果的に使いたいものです。そこで、今回はアイスバスの基本的な使い方についてご紹介したいと思います。
入る前の準備
10分程度とはいえ、冷たい水に浸かるのは非常に苦痛が伴います。
冷たさが耐えられない時は、足先やデリケートゾーンを保護するために、靴下やショートパンツなどを着用します。
事前の練習や競技で怪我がある場合は、良く洗い流し防水機能のある絆創膏などを使用して、傷口を保護した状態でアイスバスに入ります。
アイスバスを用意します。
最も良いとされる温度は10〜15℃です。
ただし、初めて使用される方は18℃ぐらいから始めることをおすすめします。アイスバスを何度か使用し慣れていくに従って、1〜2℃ずつ温度を下げていきます。
身体に傷がある場合は、防水の絆創膏などを使用し、傷口を保護した状態でアイスバスに入ります。
アイスバスに入る
まずはじめにシャワーを浴びて泥や砂などを落とします。
まず、足から入りゆっくりと腰まで浸かります。
非常に冷たい水であり、慣れていても飛び込んだり頭から入るなどはしないようにしましょう。
慣れてきたらお腹、腕、胸とゆっくりと徐々に肩までつかります。
身体をリラックスさせ、ゆっくりと深い呼吸を意識します。
そのまま5〜15分浸かります。
その日のトレーニング、試合の運動強度、気温など環境により時間は変化します。
目安として、2時間のマラソン後12℃で10分ほどです。
2〜3分で苦痛に感じて来ますが、我慢します。
本を読む、音楽を聞く、仲間と会話する、温かい飲み物を飲むなどして冷たさをそらす工夫も大切です。
どうしても気分が悪い場合は無理せず一度上がりましょう。
アイスバスから出る
清潔なタオルなどを使用し身体の水分を拭き、毛布やバスタオルなどを使用して身体を徐々に温めます。
基本的にシャワーや浴槽などは使用しません。少なくともアイスバス使用後30分は時間をあけて自然に体温があがるのを待つのが理想です。温かいシャワーを浴びても構いませんが、急に熱い湯に入ると、温度の感覚が麻痺している為、やけどの恐れがありますので注意が必要です。
◆アイスバスを行うときの注意点
・運動後なるべく早く使用します。
激しい運動後30分以内が理想的で、少なくとも1時間半以内に使用しなければ効果がないと言われています。
・水温を下げ過ぎないようにします。
アイスバスを初めて利用される方は、16~18℃の比較的ぬるい温度から初めます。16〜18℃がサウナの水風呂で良く使われる温度になります。
回数を重ね1~2℃ずつ下げ徐々に身体を慣れさせると、苦痛を少なくアイスバスを利用することができます。
10℃以下で使用される方もいますが、10℃以下にしても効果が上がるわけではないことが、わかってきています。
・20分以上は浸からない
慣れていないうちは3~5分から始め、徐々に浸かる時間を長くします。
15分を超えなくても気分が悪くなったり、耐えられなくなった場合は無理をせず一旦外に出てください。
・軽い運動ではアイスバスの効果は薄い
激しい運動を行った後は、アイスバスの効果は大きいですが、軽い運動程度ではアイスバスの必要性は低くなります。
また、アイスバスの使いすぎは筋肥大や筋力の増強にマイナスの効果がある場合があります。
・体温で温まった水を体から遠ざけるため、できれば水流があった方がよい
水流があることで、常に新しい冷たい水を身体に当てることができます。
アイスバスは簡単ですが、苦痛が伴うものでもあります。
使うなら効果を最大に。そして安全に使用してリカバリーに役立ててください。
以上。アイスバスの使い方でした。